スタッフの活動ブログ

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🚩「餌やり禁止」は解決策ではない‼️

2021/05/19

「無責任な餌やりはしないでください」

この言葉が使われているチラシなどをよく目にする。

無責任とは、どういう意味なのか…
そもそも、野良猫に給餌することは、責任を問われることなのか…
調べてみたところ、現法律では、
給餌そのものは、罰せられる行為でもなく、給餌者に責任があるとは、どこにも書かれていない。

では、何故このような言葉が当たり前のように使われてしまっているのだろうか…
「給餌者の不適正な給餌により、周辺地域の方々が糞尿被害などで困っているからです」
「給餌をすることで猫が増えるからです」
と答える人が多い。

つまりは、
「不適正な給餌を、やめてもらいたい」
「糞尿被害を何とかして欲しい」
「猫が増えて欲しくない」
という理由で「無責任な餌やりはしないでください」という言葉を使い、問題解決しようというわけである。
そういった問題を解決したいという気持ちはわかるが、その言葉を用いてる側の方も、ある意味「無責任」だと思う。
何故なら、これにより様々な問題が起きているからである。

前に、新聞記事を取り上げて、インパクトのある言葉だけが一人歩きをしてしまい、結果その言葉だけが市民の人達の頭の中に刷り込まれる危険性を書かせていただいた。

今回も同じく、「無責任」という言葉がどういう意味で使われているのかも読み取らず、さらにはその言葉も目に入らず、「給餌はしてはいけない」「給餌する人が野良猫問題の責任を取らなければいけない」
「給餌する人が、猫を増やしている」
など、勝手な解釈をしている人が多い事に驚かされる。

これにより、不妊去勢手術も終わり、適正な給餌をし、周辺の清掃もしているにも関わらず、給餌者と給餌行為を嫌う人とのトラブルが絶えず、更には子供達が給餌者を囲み非難するという事態まで出てきている。

もはや、適正な給餌していようが、増えない対策を取っていようが関係なく、給餌者が吊し上げになってしまっている。
これは、「いじめ」と同じである。

問題解決するどころか、トラブルを誘発しているようなものである。

何度も書かせて頂くが、野良猫に起因する問題は、「給餌者排除」では、根本的解決にはならない。

問題を解決するためには、
先ず市民の皆さんに、野良猫の存在そのものを認めてもらわなければならない。

猫を好きになれという意味ではない。

今そこに居るものは受け入れてもらうしかない、排除はできないということを、理解してもらわなければならない。
駆除目的での殺処分は、行われていないからである。

その上で、これ以上野良猫が増えないためには、
「不妊去勢手術」しかないということ
さらに「適正な給餌、トイレ設置による糞尿被害対策、給餌後の清掃」をする事で、周辺の環境を改善していく事ができるという事。
この取り組みを地域で行う「地域猫活動」を、福岡市は推進し、支援しているということを、多くの市民の方々に知っていただきたいと思う。

野良猫問題において、部外者などという人は、存在しない。
何故なら
「野良猫=飼い主のいない猫」を 生み出してしまったのは、「人」だからである。
故に野良猫に起因する問題は、人が解決していかねばならず、人しか解決できない。

一部の人だけが立ち上がって解決できる問題ではない。
だからこそ、地域で取り組む必要性がある。

できれば、人間と猫がどのように関わって生きてきたか、歴史を辿ってみて欲しい。
そうすれば、野良猫問題は人間が「責任」を持って解決すべき問題だという事を理解してもらえると思う。

そしてそれを子供達に伝えるのは、大人の義務だと思う。